先日、結婚式(@目白)に招待され、ついでにお茶の水で本屋めぐり。どうも“頭”は治ったようで、膨大な背表紙をスキャンしても、一向に苦になりません(苦笑)。しかし、文学や音楽関係の棚には心動かず、買ったのは“物理学の未来”(A
Different Universe, Reinventing Physics from the Bottom Down)
という、ロバート・B・ラフリン氏のエッセイのような本。
難しい数式は一切出てきませんが、現代物理学の大まかな知識がないと、ちょっと読み飛ばすのはキツイかも・・・
本のテーマは“創発”(self
organization of
matter)というなにやら怪しげな言葉ですが、元をたどれば「還元主義的に分子→原子→素粒子→クオーク→・・・ひも理論・・・と辿って行き、もうこれが科学の“彼岸”だと納得するのは如何なものか?」というアンチテーゼです。極端に微細な事象を見て納得してしまうのは、“群盲像をなでる”の例えがあるように、部分としては正しいが全体としては必ずしも正しくない。
それにつけても思うのは、“×××の原因解明”という無責任なニュースの見出し・・・私の知る限り“一箇所”が原因で病気になる理由が解っているのは、慢性骨髄性白血病における遺伝子転座で生じるbcr/ablという融合遺伝子の産物など数えるほど。他は“その異常があれば、ある病気の一部は悪化するだろうが、それだけではすべての説明は出来ない”ようなものばかり。研究者の側からすると、そうでも書かないと予算は取れないし、細部の積み重ねが全体像を掴む上で必要なのは確かです。しかし、例えば“サイトカイン受容体”というもの一つをとっても、下流のシグナル伝達経路は共通のものが多く、“なぜサイトカインの種類によって生体の反応が異なるのか”という基本的なことすら解っていないのです。
科学が進歩して、“もう我々の知らないことは、多くない”と考えるのは、性急にすぎます。詰まらない“花見酒経済”や、もっとも無益な消耗である“戦争”を止めて、次世代の“知”を担う貴重な人的資源を適正配置するべきでしょう。
ラフリン氏のHPはこちら↓
http://large.stanford.edu/rbl/index.htm
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